平素より長崎大学・富岡町復興推進拠点での活動にご理解、ご協力を賜り誠にありがとうございます。
令和5年12月時点で富岡町に住民票を置いていた方を対象としたアンケートの集計結果を報告させていただきます。
今回のアンケートは536名の方にご回答いただきました。ご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
アンケートの集計結果については、下記のとおりグラフで示しています。
■10,20代 1.1%/■30代 2.3%/■40代 6.3%
/■50代 13.4%/■60代 27.7%/■70歳以上 49.2%
■男性 57.7%/■女性 41.7%/■答えたくない 0.6%
■福島県内(浜通り地方) 55.2%/■福島県内(中通り地方) 21.4%
/■福島県内(会津地方) 0.4%/■福島県外 23.0%
富岡町への帰町をどのように考えているか
■すでに帰町した 13.4%/■帰町したい 8.3%
/■悩んでいる 21.5%/■帰町しない 56.8%
富岡町で生活することで放射線による自身の健康に影響があると思うか
■思う 9.8%/■どちらかといえば思う 20.2%/■どちらかといえば思わない 37.5%/■思わない 32.6%
富岡町で生活することで、生まれてくる子や孫に被ばくによる健康影響があると思うか
■思う 9.3%/■どちらかといえば思う 24.4%/■どちらかといえば思わない 36.0%/■思わない 29.0%
東京電力福島第一原子力発電所事故から出る処理水の海洋放出について不安があるか
2022年(放出前)※
2023年(放出後)
■ある /■どちらかといえばある /■あまりない /■ない
※2022年11月に実施したアンケート結果です。
原発事故によって、富岡町が悪いイメージで見られることを心配しているか
■心配している 24.8%/■どちらかといえば心配している 38.8%/■あまり心配していない 25.7%/■心配していない 10.7%
処理水を海洋へ放出することによる風評被害を懸念しているか
■懸念がある 27.4%/■どちらかといえばある 38.8%/■あまりない 23.7%/■懸念していない 10.1%
漁業への影響 74.1%/商業への影響 35.1%/観光への影響 31.5%/自身の生業の影響 9.5%/その他 14.4%
除去土壌に関する情報について知りたいと思うか
■思う 74.1%/■思わない 25.9%
大熊町・双葉町に中間貯蔵施設があることを、どのように考えているか
■受け入れている 58.9%/■わからない 28.9%/■受け入れていない 12.2%
除去土壌に関する関心事項(複数選択回答)
土壌の再利用方法 55.0%/再利用による健康影響 39.7%/再利用による環境への影響 47.4%/その他 5.0%
このアンケートでは、主に東京電力福島第一原子力発電所で発生した処理水の海洋放出に対する富岡町民の方の認識、および中間貯蔵施設や除去土壌に関する認識について尋ねました。
処理水に放出に対する不安の変化
2022年(放出前)と2023年(放出後)の調査結果から、放出前は約60%の方が不安に感じていましたが、放出後は約43%に大きく減少しました。
長崎大学では、今後も広報や対話の場を通じて、町民の皆さまの処理水に対する不安解消に向け取り組んでまいります。
除去土壌の情報への関心
回答者の約74%が除去土壌に関する情報を求めており、特に「土壌の再利用の方法」が最も関心の高い事項でした。
中間貯蔵施設に貯蔵されている除去土壌は2045年までに県外で最終処分を行うことが法令で定められており、処分量をできるだけ少なくするための安全な再利用が課題となっています。現在、どのような再利用の取り組みがされているのか、より詳しく知っていただく機会が必要と考えられます。
処理水の海洋放出や除去土壌の課題は、福島の復興を進める上で避けることができません。今後、これらの課題について情報提供を続けていきたいと思います。
この調査についてのご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。