皆さん、こんにちは。2017年4月に富岡町役場に長崎大学の拠点 (サテライトオフィス)を設けてから4年目の冬を迎えています。
原発事故以降、福島県下では、ホールボディ・カウンタを用いた内部被ばく検査が実施されてきました。ホールボディ・カウンタとは、私たちの体内に存在する放射性物質を体外から計測することができる装置で、体内に存在する放射性物質の種類や濃度を知ることができます。
富岡町でも、定期的にホールボディ・カウンタを用いた内部被ばく検査が行われており、希望される方は無料で受診することができます。2017年4月からこれまでに595人の方が受診され、すべての方が1ミリシーベルト以下の被ばく線量でした。また、福島県全体でも同様の検査が実施されてきましたが、2020年9月までに345,051人の方が検査を受け、そのうち99.9%にあたる345,025人の内部被ばく線量は1ミリシーベルト以下でした。
このように、福島県民の内部被ばくが低減化されているのは、事故直後から放射性ヨウ素やセシウムの基準値が設定され、食品管理がされてきたことによると考えられます。
(広報とみおか 令和3年1月号より)
高村 昇
長崎大学原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学研究分野・教授
経歴:
1993年3月:
長崎大学医学部卒業
1997年3月:
長崎大学医学部大学院医学研究科卒業
1997年6月-2001年10月:
長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設
国際放射線保健部門助手
1999年6月-2000年7月:
世界保健機関本部(スイス・ジュネーブ)
技術アドバイザー (上職のまま)
2001年11月-2003年2月:
長崎大学医学部社会医学講座講師
2003年3月-:
長崎大学医歯薬学総合研究科公衆衛生学分野准教授
2008年4月-:
現職
2010年1月-2010年9月:
世界保健機関本部(WHO)
テクニカルオフィサー(WHO神戸センター、上職のまま)