内部被ばくは、①飲食物中の放射性物質を食事により取り込む場合(経口摂取)、②空気中の放射性物質を呼吸により取り込む場合(吸入摂取)、③皮膚から吸収された場合(経皮吸収)、④放射性物質を傷口から体内に取り込む場合(創傷侵入)により起こります。このとき、放射線源は体内にあります。
一方、外部被ばくは、①地表にある放射性物質や空気中に浮遊する放射性物質、②衣服や体表面に付着した放射性物質から放射線を受けることにより起こります。このとき、放射線源は体外にあります。
人体への影響を評価するために実効線量(Sv:シーベルト)という考え方が用いられています。この実効線量では、内部被ばくの影響と外部被ばくの影響を同等に扱うことができます。すなわち、同じ実効線量であれば内部被ばくでも外部被ばくでも影響の大きさは同じです。
〔参考〕内部被ばくの計算(預託実効線量)
放射性物質は、体内に取り込まれた後、一定期間体内に留まります。その間、人体は放射線を受け続けることになります。そのため、内部被ばくによる線量は、放射性物質を一回だけ摂取した場合に、それ以後の生涯にどれだけの放射線を被ばくすることになるかを推定します。これを預託線量といいます。
特に、実効線量(放射線被ばくによる全身影響)に着目し、将来にわたる線量を積算したものを「預託実効線量」といいます。このときの積算期間は、大人は摂取後50年間、子どもは、摂取後70歳になるまでの年数となります。