ラドン及びトロンはラジウム鉱石が放射性壊変をした際に発生する気体状の放射性物質で、呼吸によって人体に取り込まれます。また、天然に存在する放射線による被ばくの中では、ラドン及びその子孫核種による被ばくの割合が一番大きいといわれています。半減期はそれぞれ、ラドンが約3.8日、トロンは約55秒です。
ラドン及びトロンは地面や建材等から空気中に拡散するため、私たちは普段の生活において日常的にラドン及びトロンを吸い込んでいます。呼吸によって吸い込まれたラドンは肺でα線を放出する為、肺への内部被ばくが問題となります。さらに、体内に吸い込まれたラドンは壊変して子孫核種となり、肺や、痰と共に食道から消化器官に移行して内部被ばくをもたらします。
(参考:環境省HP~第2章 放射線による被ばく 2.5 身の回りの放射線~)
対象場所にパッシブ型ラドン・トロン測定器(検出器を取り付けた換気率の異なる二つの容器)を約1年間設置します。
ラドンとトロンの半減期の違いを利用して低換気率の容器では、半減期の短いトロンの影響を殆ど受けずにラドンの濃度を検出できます。
換気率の高い方ではラドンとトロン両方の影響が出る為、二つの検出器の差からトロンの濃度を評価します。
容器内の検出器にはそれぞれのα線で出来た小さな傷がある為、検出器を溶液に浸し確認しやすくし、解析します。
計算用パラメータ | ||
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パラメータ | ラドン | トロン子孫核種 |
平衡係数 | 0.4 | |
線量換算係数 (mSv/(Bq/m3)) | 0.000009 | 0.00004 |
所在係数 | 0.9 | |
年間時間 (h) | 8760 |
国立大学法人 弘前大学