体内に摂取された放射性物質は、放射性核種に応じて一定の期間は体内に留まりますが、新陳代謝により体外へ排泄されていきます。放射性セシウム(セシウム137)の場合は、物理的半減期は30年ですが、体内中に留まる目安として用いる生物学半減期は、乳幼児で約10~25日、10歳前後で約40~60日、大人で約70~100日程度です。この日数で体内中の放射性セシウムは半減していきます。
一方、毎日、同じ量の放射性物質を含む食品を食べ続けたとき、体内の放射性セシウムの量は、最初はゼロですが、摂取を始めると急激に増えて行きます。そのまま、摂取し続けてもある一定値に達したところで増えなくなります。この状態を平衡といいます※1。なお、摂取を控えるとゼロに向かい減ります。
※1 摂取量と排泄量のバランスが取れている(摂取量1Bq/日に対し排泄量も1Bq/日)状態。
また、平衡量は放射性セシウム(1Bq)の体内での存在期間に等しい。
毎日1Bqの放射性セシウム(セシウム137)を摂取し続けた際の体内の放射性セシウムの変化
毎日1Bqの放射性セシウム(セシウム137)を摂取し続けた際の体内の放射性セシウムの平衡量
年齢 | 3か月 | 1歳 | 5歳 | 10歳 | 15歳 | 成人 |
---|---|---|---|---|---|---|
体内の放射性 セシウムの総量(Bq) |
23 | 19 | 30 | 53 | 117 | 143 |