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なるほど!放射線・放射能コラム

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[コラム]放射線被ばくと健康

放射線被ばく放射線基礎知識

 私たち長崎大学は、2017年4月から富岡町で復興支援活動を行っていますが、その一環として広報とみおかの誌面上で「放射線と健康」をテーマとした連載を掲載しています。

 私たちヒトの体が放射線によって被ばくすると、細胞の中にある遺伝子の本体であるDNAに傷がつきます。この時ついた傷のほとんどは、ヒトの体にもともと備わっている修復機能によって速やかに元に戻ります。切り傷や擦り傷が数日のうちに治っていくように、ヒトにはもともと遺伝子の傷を修復するシステムが備わっているのです。少しの傷であれば修復機能によって遺伝子は元に戻りますが、傷が多いと修復できずに細胞自体が死んでしまうことがあります。少しの細胞が死んでも、他の細胞が代わりをすれば、臓器や組織の機能障害は生じませんが、高い線量、具体的には500ミリシーベルト以上の放射線を被ばくして一度に多くの細胞が死んでしまうと、白内障や血液を造る機能の低下といった急性障害が起こることがあります。一方で、遺伝子に傷がつき、それを修復する現象は、放射線以外にも、食事や喫煙、環境中の化学物質、紫外線や酸素などによっても普通に起きており、一つの細胞で1日に数万回程度起きていると考えられています。

 今後も放射線被ばくと健康影響に関する疑問や質問がありましたら、富岡町役場を通じて、長崎大学・富岡町復興推進拠点のスタッフに、お気軽にお問い合わせください。

(広報とみおか 令和2年7月号より)

解説者紹介

高村 昇
長崎大学原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学研究分野・教授

経歴:
1993年3月:
長崎大学医学部卒業
1997年3月:
長崎大学医学部大学院医学研究科卒業
1997年6月-2001年10月:
長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設
国際放射線保健部門助手
1999年6月-2000年7月:
世界保健機関本部(スイス・ジュネーブ)
技術アドバイザー(上職のまま)
2001年11月-2003年2月:
長崎大学医学部社会医学講座講師
2003年3月-:
長崎大学医歯薬学総合研究科公衆衛生学分野准教授
2008年4月-:
現職
2010年1月-2010年9月:
世界保健機関本部(WHO)
テクニカルオフィサー(WHO神戸センター、上職のまま)