[よくある質問]急性放射線障害とはどういうもの?

放射線被ばく

2018年08月10日

急性放射線障害とはどういうものですか?

非常に高い線量の放射線を一度に被ばくした場合に、被ばく後数時間から数日後に症状が出ることを言います。

長崎大学は昨年、富岡町の皆様を対象にアンケート調査を実施しました。その結果1/3以上の方が「震災から現在までに受けた線量で、(鼻血などの)急性放射線障害が起こったと思いますか?」という質問に「起こったと思う」と回答されていました。では、この「急性放射線障害」とはどのようなものなのでしょうか?

非常に高い線量の放射線を一度に被ばくした場合、被ばく後数時間から数日後に症状が出ることがあります。これを放射線被ばくによる「急性放射線障害」と呼びます。例えば、500ミリシーベルト以上の放射線を一度に被ばくすると、血液細胞をつくる骨髄ができなくなり、白血球や赤血球、血小板が減少するため、感染症が起きやすくなったり、貧血になったり、鼻血のような出血が止まらなくなったりします。さらに1000ミリシーベルト以上の放射線を一度に被ばくすると、熱傷(やけど)や脱毛、吐き気といった症状が出ます。これらの急性放射線症の症状は確定的影響と呼ばれ、一定の線量を超える被ばくをした場合には出現しますが、それ以下の線量では出現しません。

福島県で実施されている県民健康調査によると、事故以降4か月間における富岡町住民の外部被ばく線量は、99%以上が3ミリシーベルト以下で、最大でも12ミリシーベルトと、上記のような急性放射線障害を起こす線量よりもはるかに低いことがわかっています。ですので、震災から現在までの被ばく線量で、急性放射線障害が起こったとは考えにくいといえます。

今後も、放射線と健康影響に関する疑問や質問がありましたら、富岡町役場を通じて長崎大学・富岡町復興推進拠点のスタッフへお気軽にお問い合わせください。

(広報とみおか 平成30年7月号より)

解説者紹介

高村 昇
長崎大学原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学研究分野・教授

経歴:
1993年3月:
長崎大学医学部卒業
1997年3月:
長崎大学医学部大学院医学研究科卒業
1997年6月-2001年10月:
長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設
国際放射線保健部門助手
1999年6月-2000年7月:
世界保健機関本部(スイス・ジュネーブ)
技術アドバイザー(上職のまま)
2001年11月-2003年2月:
長崎大学医学部社会医学講座講師
2003年3月-:
長崎大学医歯薬学総合研究科公衆衛生学分野准教授
2008年4月-:
現職
2010年1月-2010年9月:
世界保健機関本部(WHO)
テクニカルオフィサー(WHO神戸センター、上職のまま)

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